1.プランクトンの定義プランクトン(plankton)は、「浮浪者」という意味を持ち、水の中に浮かんで波の間に漂っている小さな生物群の総称を指す。
プランクトンは、その大きさから大型プランクトン(2〜20mm)、中型プランクトン(200μm〜2mm)、小型プランクトン(20〜30μm)、微小プランクトン(2〜20μm)、超微小プランクトン(<2μ)と区別される。
この中で、大型から小型プランクトンを併せてネットプランクトン(netplankton)と呼ぶ場合があり、超微小プランクトンについてもピコプランクトン(picoplankton)を用いる研究者が多くなっている。
また、プランクトンは浮遊生活の期間によって、終生プランクトンと一時プランクトンに区別する場合もある。
2.プランクトンの生育場所雨が降った後の水たまり、水田、池沼、湖、川、海、つまり水のある場所ならどこにでも棲んでいると言ってもいい。
プランクトンを生活する水域によって3つに大別できる。
(1)海洋性のもの
(2)汽水(海水と淡水が混じる)性のもの
(3)淡水性のもの
田中ゼミでは主に(3)の淡水プランクトンについて研究しているため、このHPのプランクトン図鑑にも淡水プランクトンを中心に載せることとした。
3.プランクトンの分類
プランクトンを分類学的に大別すると、
・動物プランクトン(原生動物、輪虫類、鰓脚類、橈脚類など)
・植物プランクトン(藍藻、珪藻、緑藻)
に分けられる。
原生動物(PROTOZOA)…体が1つの細胞からできている、単細胞生物。一般的に小さく、肉眼では見えない。淡水にも海水にも広く分布するが、小さいうえに体が軟らかく、ホルマリンで固定すると収縮してしまうため、同定が難しい。袋形動物の輪虫類(ASCHELMINTHES, Rotatoria)…
湖沼に出現する種は、鞭毛を有するか、繊毛を用いて遊泳するか、偽足を出して匍匐するかの何れかに属する。
栄養段階や汚濁に対する指標となる種も少なくない。一般的に富栄養の水域を好む。湖沼のプランクトンの中で、種数或いは量的にも重要な位置を占める。節足動物の鰓脚類(ARTHROPODA, Branchiopoda)…
種の分類は、咀嚼歯が重要な基準となるが、初学の研究者には困難である。また、固い被甲をもつ種は、固定標本にしても同定が可能だが、被甲を持たず軟らかい種は、収縮したり変形したりして、同定が出来ないものも多い。さらに、匍匐性、付着性の種や、底泥や間隙水に生活する種については、研究が十分ではない。
浮遊性の種でも、付着性の種でも、単独で生活する種もあるが、群体を形成するものも知られている。
栄養段階、汚濁等の指標性の高い種がある。小学校の教科書からなじみの深いミジンコを含む。節足動物の橈脚類(ARTHROPODA, Copepoda)…
出現期の大部分は雌のみで増える単為生殖を行うが、環境の悪化と共に雄が出現して、休眼卵(耐休卵)を形成する。
完全な浮遊性種と底生種があり、生物地理学的には北方性種と南方性種がある。どんな水域にも出現(特に冬場は多い)するケンミジンコを含む。藍藻(Cyanophyceae)…
海洋プランクトンに比べれば種数は著しく少ないが、浮遊性、底生、地下水種、或いは寄生等、生活様式は変化に富む。
雌雄で形態は異なり、分類同定は5対の脚や触角等の細部の観察が必要であり、初学の研究者には厄介なグループの一つである。下等な藻類で、酸素の少ない汚水にも生育する。夏に湖沼の水面が緑の層で覆われることがある。これは「水の華」といい、「アオコ」と言われる藍藻の中のミクロキスチス、アナベナ等の大繁殖が原因である。珪藻(Bacillariophyceae)…単細胞で、細胞膜にペクチン質を基本とした珪酸化合物を含み、被殻を形成する。珪藻類は種類が非常に多く、同定作業がとても難しいが、水質の状態を示す指標生物としての価値は大きい。緑藻(Chlorophyceae)…細胞膜は2層以上からなり、細胞は鮮緑色をしている。珪藻類同様、非常に多くの種類があり、水域も様々である。
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